古典文学にはいわくつきの邸宅――事故物件――が多い。

そう述べる『事故物件の日本史』(大塚ひかり・著、祥伝社新書)の著者は、それらを長年にわたりファイリングしていたのだそうだ。古典文学にはまるほど、歴史を深く学ぶほど、事故物件への興味が増していったのだという。

古典文学のなかには、繰り返し不幸が起きる事故物件を「凶宅(きょうたく)」と呼ぶ例もあるらしい。

『事故物件の日本史』

 凶宅とは古代中国の「風水説に基づく一種の俗信」で、「居住する者に祟りをなす不吉な邸宅」を指す(岡村繁『新釈漢文体系97 白氏文集 一』「凶宅詩」解題)。

 もちろん古典文学には、凶宅と名指しこそされないものの、明らかな凶宅もあるし、歴史上の人物にもこうした曰く付きの物件に関わってしまった人たちも少なくない。

 このように、事故物件はずっと昔から存在し、注目されてきたのである。(「はじめに」より)

「事故物件」は昔から存在した
【関連記事】