ハーレーが単なるオートバイ以上の存在だった時代があった。

信号待ちで鳴り響くVツインエンジンの咆哮(ほうこう)、ダイナー(大衆食堂)の駐車場に並ぶクロームとレザーの車体、映画の登場人物のジャケットに縫い付けられたハーレーの「バー&シールド」ロゴ……。

ウィリアム・ハーレーとアーサー・ダビッドソンが1903年、ミルウォーキーのダビッドソン家の裏庭の小屋で最初の1台を造って以来、1世紀以上にわたり、このブランドはアメリカ人の暮らしを形作る風景の一部であり続けてきた。自由というアメリカの理想の中にしっかり根付いていたのだ。

しかし、いつの間にか、すっかり影が薄くなってしまった。

販売店がなくなったわけではない。ロゴもほとんど変わっていない。会社も破綻していない。若者のバイク離れと安価な中古バイク市場の拡大、そして2万5000ドルするアメリカンバイクを「本物」への近道と見なす文化の退潮により、めっきり存在感を失ったのだ。

ハーレーダビッドソンが今年2月に発表した2025年通期の売上高は44億7000万ドル。前年比で14%減となった(24年も前年比で11%減)。中核のオートバイ部門HDMCは2900万ドルの営業損失を計上。前年の2億7800万ドルの営業黒字から営業赤字に転落した。

本質的な問題は?
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