政治的に厄介な問題にも巻き込まれる

これを受け、6000ドルの初心者向けモデル「スプリント」が、今年後半〜27年に発売される予定だ。顧客から最も復活を望む声が高かった空冷エンジンを搭載する「スポーツスター883」も、27年に約1万ドルで戻ってくる。さらに今後3年間で20の新モデルが投入される予定だ。

業績目標も野心的だ。27年までに少なくとも1億5000万ドルの経費削減を実現して、3億5000万ドル超の利益を上げる。また、販売店の利益率も26年中に倍増させ、29年までにさらに2倍にすると約束する。

バーネットは「原点回帰や実店舗を重視する考え方は、素晴らしい一歩だと思う」と評価する。投資家も、ハーレーにもう1度チャンスを与えようと考えているらしく、株価は今年に入り約24%上昇した。それでも時価総額は約27億ドルと、06年のピーク時の7分の1以下だ。

こうした本業の課題が山積するなか、ハーレーは現代のアメリカで最も政治的に厄介な問題にも引きずりこまれた。保守系インフルエンサーから、同社のDEI(多様性・公平性・包摂性)の取り組みを批判されたのだ。これを受け、ハーレーは24年にDEI対応を大幅に縮小したが批判は収まらず、スターズの適性にも批判の矛先が向き、ボイコット運動にまで発展した。

だが、取締役会はスターズを擁護した。スターズは就任から8カ月間「ライダーと販売店、従業員の声に耳を傾けてきた」のであり、ハーレーにとって「何より大切なのは、原点に返り優れたバイクを世に送り出すことだ」とDEI騒動とは距離を置いた。

伝統と現代化のバランスに苦労
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