David Brunnstrom Andrea Shalal
[10日 ロイター] - ウクライナ人の元捕虜らは国連安全保障理事会の非公式会合で、ロシアが拘束したウクライナ人の捕虜や民間人に対し、外部との連絡を絶った上で組織的な拷問を行い、性的暴力を含めた虐待を加えていると非難した。現在も数千人がロシア側に拘束されている。
ウクライナのパブリチェンコ国連臨時代理大使は、ロシアによる捕虜の扱いを巡り、国際社会によるさらなる圧力と責任追及を求めた。
一方、ロシアのザボロツカヤ国連次席代表はこれを「偽情報キャンペーン」として否定。ウクライナに拘束されているロシア人捕虜が「拷問や品位を傷つける扱い、精神的・身体的虐待」を受けていると主張した。
現在もウクライナ軍の現役兵士であるフアン・アルベルト・レヴィア・ガルシア氏は、1183日間にわたる捕虜生活の中で、ロシア側から想像しうるあらゆる形態の拷問を受けたと証言した。
国連の会合後、記者団に対し、「言葉による虐待や身体的虐待、毎日の殴打、感電、氷点下の中での過酷な運動、性的虐待。 人間を精神的に崩壊させるあらゆる手段が私と仲間たちに行われた」と語った。
ガルシア氏は、自分が生き延びられたのは幸運だったとし、ドネツク地域の収容所で友人2人が殴打されて死亡したと語った。同氏は国連の会合で、捕虜たちは過密状態の兵舎に収容され、ほぼ全ての捕虜たちが赤痢にかかっていた上、多くの者が飢えに苦しんでいたと証言した。
ウクライナ当局者もウクライナ人の捕虜が拘束中に「拷問され、殺害されている」と語った。当局はロシアおよびウクライナのロシア占領地域で300カ所以上の収容施設を特定した。9000人以上のウクライナ人が捕虜交換を通じて帰国した一方で、数千人がなお拘束されているという。
国連人権担当事務次長補のクラウディア・フエンテス・フリオ氏は、国連の監視活動により、ロシア当局によるウクライナの戦争捕虜および民間人被拘束者に対する広範かつ組織的な拷問および虐待が、性的暴力を含め、依然として続いていることが明らかになったと述べた。
同氏によると、22年2月以降、国連人権高等弁務官事務所は、捕虜となった直後に処刑されたウクライナ人129人と、拷問、医療の拒否、あるいはその他の非人道的な収容環境に起因して拘束中に死亡した48人の事例を記録している。
同氏は、聞き取り調査を受けたウクライナ人捕虜の95%以上が、拷問や虐待を受けたと報告していると述べた。
フエンテス・フリオ氏は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が、ウクライナに拘束されているロシア人および第三国籍の戦争捕虜に対する拷問や虐待についても記録しているが、「その規模は根本的に異なる」と述べた。