JBIC常務執行役員 資源ファイナンス部門長の天野辰之

「エネルギーを特定の国や地域に依存するのではなく、多様な供給網を築くことが、日本のエネルギー安全保障につながる」と天野は語る

国家のエネルギー政策といった重要課題に関わりながら、JBICはこれまで培ってきた各国政府や現地企業との信頼関係を軸に、日本企業が良好な関係構築をする際の調整役としての役割を担っている。

直近では、インドネシア国営石油会社プルタミナとのビジネス・ラウンドテーブルも実施した(関連記事)。

インドネシアやブラジルのように原料が豊富な国で生産し、まずは現地で消費する地産地消モデルを構築した上で、将来的に日本への供給拡大を視野に入れる考えだ。製造だけでなく、物流や品質管理といった分野にも参入余地があるという。

「今はまだ輸送費が高いですが、最初はその国で作って、その上でコストが下がれば、日本への展開も可能になります」

■2030年のバイオ燃料消費予測(国・地域別)

2030年のバイオ燃料消費予測(国・地域別)

日本の強みを生かしたバイオ燃料の活用の可能性

さまざまな分野でのバイオ燃料活用において、日本は強みを生かせるだろうと天野はみている。

船舶や航空分野の燃料については、電化による脱炭素が難しく、石油に頼らないよう燃料転換が不可欠だ。日本の海運業界は国際競争力が高く、バイオ燃料を使用する特殊な船舶の導入といった面でも存在感を発揮できる。

日本の自動車業界は、内燃機関、ハイブリッド、水素、EVなど、多様な選択肢を提供でき、「あらゆるタイプのパワートレイン技術が強みになります」と天野は言う。

世界ではEVシフトが加速しているものの、全ての地域や用途でEVが最適解になるわけではない。そのため、内燃機関が将来的にも一定の役割を果たし続けるとみられている。既存のエンジン技術を生かしたバイオ燃料の活用は、脱炭素化に大きく貢献する。

鉄鋼業界では、石炭由来のコークスの代替として高密度木炭を利用する研究も進んでいる。脱炭素化が難しい高炉製鉄においても、既存設備を活用しながら排出削減を進める現実解として期待されている。バイオ由来資源を活用する技術は、産業競争力を維持する観点からも注目されている。

エネルギー多様化におけるバイオ燃料の意義
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