■エネルギー安全保障の変化

エネルギー安全保障の変化

バイオ燃料の強みは「現在使用されているインフラを使える点」だと天野は述べる。既存の物流網やガソリンスタンド設備を大きく変えることなく導入できるため、移行コストを抑えやすい。

例えば、ガソリンに一定割合のバイオ燃料を混ぜることで、輸入原油への依存を減らすことが可能になる。10%混合すれば、その分だけ輸入量を削減できる計算だ。

「電源のバリエーションを持っている国は、世界でいろいろなことが起きても強みを保てます。エネルギー安全保障を考えたとき、特定の国に依存しない、特定の技術に依存しないということが、一番重要だと考えます」

単なる輸入ではなく製造する側に。JBICは現地との調整役を担う

バイオ燃料が世界的に見直されているものの、日本では導入が限定的だ。最大の理由は国内で原料を十分に確保できないことにある。

ブラジルやインドネシアのようにサトウキビやパーム油などの原料を大量生産できる国と比べ、日本は海外調達に依存せざるを得ず、輸送費も含めてコストが高くなりやすい。「日本ではバイオ燃料をほとんど生産していない」という現状がある。

日本でも1970年代の石油危機後、バイオ燃料の導入を試みた時期があったが、コスト高の点から、省エネルギー技術や高効率エンジンの開発が重視された。また、石油を安定的に輸入できることを前提に、燃費性能を高める方向へ技術革新が進められ、バイオ燃料への投資は進まなかったという背景がある。

今後、世界的にバイオ燃料関連市場の拡大が見込まれる中、日本はどうすべきか。

天野はまず「原料生産国との連携が極めて重要」とし、日本企業が単にバイオ燃料を輸入するのではなく、製造段階から深く関与する必要があるとの見方を示す。「ただ燃料を買ってくるだけでは、新たな依存関係を作るだけです。製造する側に日本企業が入っていくことが不可欠です」

日本の強みを生かしたバイオ燃料の活用の可能性
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