クリミアではロシア連邦保安局関係者が増加?
混乱を生み出している兵器の筆頭が中距離攻撃ドローンだ。安価なウクライナ製で、前線から約300キロ離れた標的を攻撃できる。報道によれば、新機種の「ベヒモス」の巡航速度は時速約180キロで、重量約70キロの弾頭を搭載可能。長い射程のせいで、ロシアは射程圏内の燃料が少なくて済むルートを迂回する羽目になり、補給線が延びている。
「ドローン作戦は突然、始まったわけではない」と、スロバキアを拠点とするシンクタンク、GLOBSECのマクシム・ベズノシウク準研究員は言う。「ウクライナは今年に入り、クリミアでロシアの防空網を組織的に弱体化させ、より離れた地点へのドローン攻撃が可能になっている。同時に、クリミア各地でロシアの軍事施設防衛能力が低下し、補給関連の標的に対する後続攻撃のチャンスが開けている」
ウクライナは「クリミアの消耗」によって「既に深刻化している市民の不満」をあおっていると、クザンは語る。6月24日、クリミアの中心都市シンフェロポリの発電所とセバストポリの変電所を攻撃した際には、大規模な停電が発生。クリミアでは同月26日、非常事態宣言が出された。
ロシアはこれまで以上に、クリミアに資源を割くことを迫られている。
ウクライナは「ロシアが注意を向け、力を注ぐ方向を転換させている」と、クザンは指摘する。「市民の不満に対処するためか、クリミアにいるロシア連邦保安局(FSB)関係者の増加が確認されている。兵士も増員され、ロシア国内や前線から送られてきた小型防空システムで(補給)ルートの安全確保に当たっている。小型の浮橋の建設など、新たな補給手段の試行も続いている」