トランプ米大統領はイランへの空爆を強化し、攻撃をさらに拡大する可能性を示唆している。しかし、イラン政府から譲歩を引き出すことに既に失敗した軍事戦略が今回は成功するという兆候は乏しい。

1カ月前に結んだ暫定的な停戦合意が崩壊し、トランプ氏は苦境に立たされている。同氏は、海上交通の要衝ホルムズ海峡でのイランの影響力を弱め、同国に自らの要求を受け入れさせようとしてきた。

双方は今のところ全面衝突への回帰を避けているものの、早期に打開策を見いだすとの期待は薄れつつあり、この危機は再び世界の原油価格を押し上げ、金融市場に大きな衝撃を与えている。

報復の応酬は16日で6日目に突入した。イランは、トランプ氏が警告したように米国がイランの電力インフラを攻撃した場合、イエメンの親イラン武装組織フーシ派を動かし、もう一つの重要な原油輸送ルートである紅海の入り口、バブ・エル・マンデブ海峡を封鎖する可能性を示唆している。

トランプ氏のいら立ちが強まっていることを示すように、同氏は側近らと協議し、場合によっては公の場でも、標的を発電施設や橋梁に広げる案、地上部隊を派遣してイランの原油輸送拠点カーグ島を制圧する案、地下深くにある核関連施設を爆撃する案などに言及している。

これらの選択肢の一部はリスクの高さや、国内外で激しい反発を招く可能性から、非現実的かもしれない。トランプ氏は過去にも同様の威嚇を行いながら、引き下がった経緯がある。

しかし、大半のアナリストは、米軍が大規模なエスカレーションに踏み切った場合でも、イラン指導者を排除するための危険かつ政治的に維持不可能な地上侵攻に至らない限り、イランに方針転換を迫る効果は乏しいとの見方で一致している。

米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のジョナサン・パニコフ氏は「今回の一連の攻撃やトランプ氏の計画により、イラン側が考えを変えるとみる理由はない」とし、「むしろ態度を硬化させる可能性が高いだろう」と予想した。

トランプ政権の高官はロイターの質問に対し、大統領の優先事項は外交であるとしつつも「イランが理解する唯一の言語は軍事力だ」とし、米国は海峡における「テロ行為」に対して引き続きイランの責任を追及していくと述べた。

暫定合意が崩壊
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