上記は学校に通っている者のデータだが、そうでない者もいる。いわゆる非在学者だ。無理を承知で、次の手続きで高校非在学者の自殺率を試算してみる。高校在学年齢の16~18歳の自殺者は、2020年の厚労省「人口動態統計」によると412人。同年の高校生の自殺者は339人(警察庁「自殺の状況」)。高校非在学の自殺者は差し引き73人とみなす。総務省「国勢調査」によると、同年10月時点の16~18歳の非在学人口は22万4322人(労働力状態が「通学の傍ら仕事」ないしは「通学」以外の者)。したがって、高校非在学の自殺者数は、ベース人口10万人あたりの数にすると32.5人となる。
高校非在学者の自殺率は奇しくも、高校定時制・通信制生徒<図1>と等しい。高校非在学者とは高校に行かなかった者、あるいは高校を中退した者だが、教育の機会から疎外されることの不利益は大きい。高校就学支援金制度が実施されているが、経済的理由での高校非進学(高校中退)を無くせているか、制度の効果は絶えず検証されなければならない。
今の日本では子どもの自殺だけが増えているのだが、目を凝らすと要注意層がはっきりと浮かび上がる。その結果に基づいた対策の立案が求められる。
【筆者注】
<図1>の自殺率の分母について。小学生には義務教育学校前期課程・特別支援学校小学部,中学生には義務教育学校後期課程・中等教育学校前期課程・特別支援学校中等部,高校生(全日制)には中等教育学校後期課程・特別支援学校高等部の児童生徒も含めている。
<資料>
警察庁「自殺の状況」
山寺香「自殺統計から読み解く―通信制高校生徒への支援強化の必要性と、背景に見えた課題」2026年7月7日