その振る舞いはおぞましいのに目を離せない。ローラを演じるホーキンスは、子を亡くした母の悲しみをベールのようにまとっている。どんなにむごいまねをしても、彼女の姿には制御できないものをどうにか制御しようとする狂おしい欲求が見え隠れする。

ホラー映画における死者の蘇生は、決して一筋縄ではいかない。あの世から戻った死者はもはや愛する人ではなく、死者をよみがえらせた人間は必ず報いを受ける。

ローラが儀式にのめり込むのは、喪失の悲しみを発散するため。悲しみとの向き合い方は人それぞれ、ということだろう。

ホーキンスは作品の魂であり、実力を存分に発揮する。だが彼女だけでなく、演技のレベルは全体的に高い。

なかでも特筆すべきはフィリップス。彼の演じるオリバーは悪意の化身だ。包丁を口に突っ込んで、もぐもぐかむ。木のテーブルにかみつき、木片をかじり取る。オリバーの自傷行為は棘とげのように脳裏に突き刺さり、いつまでも忘れられない。

パイパー役のウォンは自身も視覚障害があり、デビュー作とは思えない迫真の演技を見せる。

『エイリアン』のように中盤までは展開が遅いが、勢いが付いた後は一瞬も気が休まらない。観客が無事でいてほしいと願うキャラクターでさえ、情けをかけてはもらえない。

そうしたキャラクターにはローラも含まれる。子供を虐待する加害者の内面に観客の目を向けさせた点に、この作品のすごさはある。しかもローラは最後に願いを1つかなえるのだ。

ローラの悲しみを具体的に描き、その悲しみを細やかに体現できる演技派を起用することで、フィリッポウ兄弟は離れ業を成功させた。

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