<議会や裁判にまで権力を振りかざすトランプ政権は「人は生まれながらにして平等」の建国理念を蹴散らかす絶対王政ぶり。おまけに物理的にあちこちに顔と名前を貼り付けようとしている……。80歳になったトランプのでしゃばり具合をアメリカ出身芸人のパックンが解説>
アメリカの独立宣言にはAll men are created equal......(全ての人は生まれながらにして平等である)という、絶対王政時代において画期的な発想が込められた。その後、憲法は抑制と均衡のために三権分立を定め、財政や宣戦布告の権限を議会に与えた。民主主義国家の大統領は決して王様じゃない……はずだった。
しかしトランプ大統領はそんな縛りを認めない。議会や裁判に介入したり、法律にも裁判所の判決にも従わなかったりする。米国際開発庁(USAID)や教育省などの予算を勝手に削減し、ましてや宣戦布告も議会承認もなく戦争を起こしている。トランプ本人も、法律や条約なんて関係なく、自身の権限への唯一の制限は「自分のマインドだけ。それ以外のものに止められることはない」と断言。独立宣言の起草者トマス・ジェファソンが何と書いていようが、平等なんてない。王様が一番。トランプ王は独立宣言からも独立しているようだ。
権力の振るい方だけでなく振る舞いもますます王様っぽくなっている。(もう元に戻ったけれど)ケネディ・センターや軍艦、政府施設の垂れ幕、国立公園の入園パスにも自分の名前や顔を付けさせ、1ドル硬貨にも顔を載せようとしている。こんなにリーダーの顔と名前だらけなのは北朝鮮とサンリオピューロランドくらいだ。
そして先日、最も「王様」にふさわしい形で80歳の誕生日を祝った。海軍の吹奏楽団の演奏! 戦闘機のフライオーバー! 打ち上げ花火! さらに、ホワイトハウスの庭でUltimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ、UFC)の総合格闘技大会! 王様どころか、コロッセオで剣闘士を鑑賞する帝王にまで似てきている。