1つの島で思い切った開放路線を推し進めることが、別のもう1つの島との再統一につながるのではないか──中国の指導者たちは、40年以上前にそう考えたことがあった。

台湾海峡問題が国際政治の波乱要因になるなかで、中国政府は今、その構想を復活させようとしている。中国最南端の島である海南島全体を自由貿易地区にしようというのだ。

そうすれば海南島が香港のような場所になり(香港よりも中国政府のコントロールは強まるだろうが)、その結果として台湾の復帰が後押しされるかもしれない……という思惑だ。

海南島は中国政府いわく、台湾に次ぐ「中国で2番目に大きな島」。国内やロシアの観光客に人気の熱帯のリゾート地というイメージが強いが、中国政府はこの島で今、1980年に深圳など4カ所に史上初の経済特区を設置して以来最も大胆とも言える経済的実験を進めている。

昨年12月、中国政府は海南島を大陸中国の税関ルールから切り離した。狙いは、島全体を世界最大の自由貿易港にすることだ。

一見すると、実務上の貿易ルールの変更としか思えないかもしれない。しかし、この政策の原点は40年前の地政学上の戦略にある。台湾と海南島の地理的・文化的類似性を利用して2つの島の間に経済的な相互依存関係をつくり出し、それをテコに台湾との平和的再統一を加速させようという戦略があったのだ。

海南島と台湾の面積はほとんど変わらない
【関連記事】