激化する企業誘致競争

もっとも、スコットランドがAIとロボティクス分野で優位な立場を確立できる保証はない。

「ロボティクス分野の人材は急速に増えているが、英国の他地域と比べると人材層はまだ若く、規模も小さい」と、英国進出を目指す海外企業向けにテクノロジー、ソフトウエア、研究開発人材の採用を手掛けるエジンバラの人材紹介会社ダンバー・ブラウン・グループの共同創業者、アンドリュー・ダンバーは話す。

より根本的な課題は、資金と給与水準だ。製造業の賃金は「他業種と比べると概して低め」で、人材獲得で不利になりやすい。またロボティクス関連のスタートアップの中には、有望な試作品を開発しても、本格的に事業を拡大する資金が調達できず事業継続が難しくなった企業もある。

世界では企業誘致を巡る競争も激化している。米国・ヒューストンのような都市やスイスなどの国では、税制優遇や助成金制度が地域のテクノロジー産業の発展を後押ししており、人件費補助もスコットランドを上回っている。今後の大きな課題だ。

「ワールド・オブ・トゥモロー」のようなイベントは、スコットランドの構想を前進させるために必要な人々を結び付ける場となる。真の試金石となるのは、そこで交わされた議論が追加の資金調達や人材育成の強化、そしてスコットランドの産業基盤に根差した新たなプロジェクトへと結実するかどうかだ。

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