消費者物価指数(CPI)下振れに、説明なし

ウォーシュ議長体制で情報公開の在り方が変わっても、FRBの政策姿勢は変わらず、そして米国経済のパフォーマンスにはほとんど影響しないと筆者は考える。経済指標の動きを自ら判断できない投資家がリターンを得ることが難しくなる、というだけに過ぎない。

米国では高い経済成長が続く中で、インフレ上振れリスクがくすぶり続けるとみられ、ウォーシュ議長率いるFRBでは今後、利上げ開始の議論が活発化するだろう。こうした中で、日本銀行は6月16日に一足早く、大方の予想通り利上げを決定して政策金利を1.0%に引き上げた。

筆者は6月2日コラム「『実質金利が低い』『大幅な円安』…それでも利上げは必要ではないと言える理由」において、今回の会合では利上げは必要ないとの考えを示したが、決定会合後の内田真一副総裁の記者会見での利上げの説明を聞いても、筆者の考えは変わらない。

今回の利上げの理由として、①中東情勢が日本経済の下押し要因となるリスクが低下した、②資源価格上昇によって企業間取引で価格上昇が起きておりインフレが上昇するリスクが高まっている、の2点が内田副総裁から繰り返し強調された。

ただ、記者会見での質疑では、肝心の消費者物価指数(CPI)が下振れている点はほとんど取り上げられなかった。食料・エネルギーを除くCPIは、2025年から1.5%付近で推移した後、2026年4月から1%近傍まで落ち込んでおり、目標とする2%インフレから遠のいている。

つまり、日銀が目指す基調インフレ2%の実現が遠のいているのが実情なのだが、これは過去3年にわたり経済成長率が0.5%程度と低いままで、需給ギャップが緩んだままであることが主因である。

利上げを後押しした日経平均大幅高に、リスクあり
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