<どうせ辞任すると思われていたキア・スターマー首相――カリスマ性も信念もイマイチだったが首をすげ替えたい理由は少々フェアじゃないかも>
イギリスのキア・スターマー首相が辞任を表明したと聞いたとき、僕は「へえ、それが今日なのか」と思った。
それはあまりにも長い間、広く予想されていたので、人々は本当に彼が辞任するかどうかを考えることもなくなっていて、多くの人はいつ辞任するかさえ考えなくなっていた……どうせすぐにでもそうなると思っていたからだ。
誰が後任になるかについては、それほど疑問の余地はない。政治評論家たちは何カ月も前から(前マンチェスター市長の)アンディ・バーナムの名前を挙げていたが、彼がこの6月の補欠選挙で圧勝して下院議員に選ばれると、その声はいっそう大きくなった。首相選出は選挙戦というより、戴冠式になりそうだ。
閣僚内で他の候補者志望者たちが押し合いへし合いしている間に、バーナムは外側レーンから一気に集団を抜き去った。マンチェスター市長として、彼は別物の権力基盤を持っていたし、自身がどんなリーダーシップを発揮できるのかも示してきた。簡単に言うと、彼は少し左寄りで、やや個性派で、より「本物らしく」見える。
人々はさまざまな理由でスターマーを評価していない。その理由はまっとうなものもあれば、厳しすぎるものもある。そもそも彼は、労働党嫌いの人や無党派層の支持を得ることはできなかった。
スターマーは何度も方針転換をして大失敗し、さまざまな「出来事」も不利に働いた。特に中東情勢が生活費危機を悪化させたことは痛手だった。労働党は世論調査でも地方選挙でもひどい結果になった。