その一方で、臨時のカップルの場合は、勢いでそういうことになるのは、保護者サイドとしては抵抗があるわけです。しかしながら、本人たちは思い切り「おめかし」をして華やかなダンスパーティーでテンションが上がっているわけで、さまざまなドラマが起きてしまう下地は十分です。

これは州によっても違いがあり、完全放任で何が起きても放置という地方もあるようです。一方で、私の住む東海岸のニュージャージー州では、教育熱心で子どもの問題に関与したがる親が多いこともあり、面白い風習があります。それは、1次会のパーティーが終わったあとに、PTA主催のゲーム大会など2次会のイベントをセットするというものです。

臨時のカップルで構成された多数派は、PTAとその息のかかった生徒の委員たちによって、「楽しいよ」と引っ張られてこちらに参加します。そして、高校の校舎などを使って行われるそのイベントを深夜の1時とか2時まで引っ張るのです。

つまり、臨時のカップルがどこかへ消えるにはもう疲れてしまって、眠いからお開き、となるまで遊ばせるというわけです。

大人が深夜までつき合って子どもたちを見守る

プロムの面白いところは、何と言っても学校が「男女交際というのはよいことだ」という価値観を示す場だということです。そして実際に最高学年である12年生のプロムの前に、11年生のタイミングでは、もっと簡素な「ジュニア・プロム」というイベントをして準備をさせたりします。

いずれにしても、男女交際にプラスのイメージを持たせるとか、深夜まで遊ばせるという「大人扱い」をするだけがプロムではありません。これに加えて、卒業目前の「思い切り羽目を外す時期」でも、大人が深夜までつき合って、少し離れた距離からしっかり子どもたちを見ているというのが重要なのです。

双方の親公認のカップルは別として、そうでない子どもたちについては、遠くから見守るというのは、思春期の子どもを持つ親として、ひとつ参考になる風習だと思われます。

『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』

『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』

 冷泉彰彦・著
 クロスメディア・パブリッシング刊

 

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