空母USSジョージ・ワシントンを太平洋から中東に移動させれば、アメリカは「国家安全保障上のリスク」にさらされる――。同空母の元司令官がこう警告した。日本の横須賀を母港とし、アジアに展開する最後の米空母は、イランとの戦争に投入される最新の米海軍艦艇となる。

ジョージ・ワシントンは、USSエイブラハム・リンカーンと交代する見通しだ。リンカーンをめぐっては、約5000人の水兵と海兵隊員が12月以来、一度も陸地に上がっておらず、物資の不足やメンタルヘルスの悪化が報じられていることから、民主党議員らが調査を求めている。これを受け、米海軍艦艇の艦内生活にも改めて注目が集まっている。

強大な戦力を誇る米海軍も、中東での数カ月にわたる戦争によって過度に戦力を分散させており、将来起こり得る中国との対立への備えが十分ではないとの懸念も浮上している。

ジョージ・ワシントンを湾岸地域に再配備すれば、アメリカはアジア太平洋地域で1年半以上にわたって「海軍のプレゼンスが限定された」状態に置かれることになる。同空母は中東での任務を終えた後、整備に入るためだ。ジョージ・ワシントンを旗艦とする第5空母打撃群の元司令官で、米太平洋軍の作戦部門も率いたマーク・モンゴメリー退役海軍少将がそう指摘した。

ワシントンに拠点を置くシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)に所属するモンゴメリーは本誌に対し、「これは国家安全保障上のリスクだ。中国に対して抑止力の弱さを印象づけるメッセージを送り、太平洋地域のアメリカの同盟国やパートナーを安心させることにもならない」と語った。

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