アレン自身は何度も「自伝ではない」と否定しているが、さすがに信じられない。本作から8年後に監督した『カイロの紫のバラ』で再び主人公に第四の壁を越境させるが、その目的は映画の解体だ。
『アニー・ホール』は解体を手段としてアレンが内面をさらけ出す。自分の過去を編集し悔恨や後悔を自虐的に再現し、最後の記憶を書き換えようとする。
恋愛映画であることは確かだ。でも主軸は、アレンがキートンに寄せる思慕と未練。映画的空間が壊されたことで、アレンの内面が見事に構築された。
『アニー・ホール』(1977年)
監督/ウディ・アレン
出演/ウディ・アレン、ダイアン・キートン
<本誌2026年6月30日号掲載>
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