悲嘆の経験は思いやりの気持ちを与える
AIによる悲嘆テクノロジーは、そうした考え方に沿うものであるとともに、故人との絆の在り方を変えつつある。写真アルバムは何も語りかけてこないが、アバターは返事をする。アバターの返事からは、生前には存在しなかった言葉や瞬間や対話が生まれる。
絆は弱まることも終わることもない、全く新しいものになろうとしているのだ。
もっともハリソンにとって、それは本質的な問題ではないかもしれない。「悲嘆のプロセスなど存在しない。ただの混乱だ」と言う彼が目指すのは、悲嘆を過去の遺物にすることだ。「痛みは解決すべき問題だ。少なくとも社会的には」と、ハリソンは言う。
オコナーの考えは違う。「つらい悲嘆の経験は私たちを人たらしめ、思いやりの気持ちを与える。人生の重要な一部で、近道などない」
テクノロジーの進歩は、こうした議論の結論が出るのを待ってはくれない。シミュレーションの技術は向上し、実際にあったことの記憶とアバターとの交流との境目は曖昧になるだろう。文化的規範も変わっていくはずだ。
問題はもはや、AIが悲嘆のプロセスの一部になるかどうかではない。この手のツールが残された人々が前に進む助けになるかどうかだ。
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