既にある悲しみを、何度も呼び覚ましてしまう

「重要なのは、ベルソナが『その人はもういない』と理解する助けになるのか、それとも永遠に存在すると理解する後押しをしてしまうのかだ」と、オコナーは言う。

喪失に誰もがうまく適応できるわけではない。死別を経験した成人の7〜10% は、「遷延性悲嘆症」を発症する。悲嘆が重症化、長期化し、日常生活に再び関わることが難しくなる状態だ。

テッサロニキ総合病院(ギリシャ)のニコラオス・スタサラコスは、遷延性悲嘆を「調整の失敗」として説明する。

「悲嘆のプロセスでは、脳内の4つのネットワークが働いている」と、彼は言う。感情的に重要な刺激を検知するサリエンス・ネットワーク、内的な表象を生成するデフォルトモード・ネットワーク、反応を調整する実行制御ネットワーク、そして報酬系だ。

「通常の悲嘆は、時間が過ぎるにつれて癒やされていく。失われた人という刺激がない状態で生きることを学ぶからだ。そうした感情は過剰に表出されず、調整される」

遷延性悲嘆は、そのブレーキがうまく働かなくなる状態だ。脳は喪失が今まさに起きたかのように反応し続ける。

「プロセスが時間の中で凍り付くようなものだ。同じ刺激が何度も繰り返され、同じ反応を生み出す」

専門家が懸念するのは、グリーフボットが新たな悲嘆を生むことではない。既にある悲しみを、何度も呼び覚ましてしまう可能性だ。やりとりのたびに、故人とのつながりが再び感じられる。すると小さな関係の循環が、もう一度始まる。

喪失と共に生きるすべを学ぶプロセス