もちろん、赤身肉や加工肉の摂取量の増加などの要因も考えられます。まだ決定打はありませんが、「現代的な曝露」が関係している可能性は高いです。
こうした話題は、センセーショナルな仮説と相性がいいので、ソーシャルメディアで色々な説が飛び交いやすいことを懸念しています。たとえば誰かが「小麦が原因だ」などと断定的に言い始める。
問題は、自分の信じたい仮説に合うデータだけを切り取ってしまうこと。ところが、全体のデータを見ると成立しない話は多くある。だからこそ、ソーシャルメディアの情報をうのみにせず、全体像を見る姿勢が自分を守ることになります。
「座りっぱなし」ががんのリスクを高めるって本当?
──「座りっぱなし」ががんのリスクを高めるというのは衝撃でした。
長時間座ることは、肥満や糖尿病、高血圧といった代謝異常につながりますし、その先にがんのリスクがあると考えられています。現に、長時間座ったままのデスクワークは、喫煙と同じく「がんリスクを高める要因の一つ」といわれています。ただし、体を動かすと、そのリスクはキャンセルできます。デスクワークの合間に散歩やストレッチなど、こまめに体を動かすとよいでしょう。
──慢性的なストレスや睡眠不足は、がんのリスクにどれくらい影響しますか。
ストレスや睡眠不足が「このがんの直接の原因だ」と証明するのは難しいものの、間接的にリスクを高めることは繰り返し示されています。
睡眠時間が短い人は、乳がんや前立腺がんのリスクが高い。またストレスを強く感じている人は、喫煙、飲酒、過食など、がんのリスクを高める行動を取りやすい。こうした積み重ねが、結果としてリスクを上げるのです。