航空機撃墜事件の犠牲者の写真の横でオバマ政権の対キューバ政策の変更を非難するルビオ(2014年)
航空機撃墜事件の犠牲者の写真の横でオバマ政権の対キューバ政策の変更を非難するルビオ(2014年) JOE RAEDLE/GETTY IMAGES

対キューバ作戦も合法性に疑問符

ブリッジマンによれば、仮に作戦が国際法で合法だとしても(実際には違う)、アメリカの国内法は大統領に議会の承認なしに戦争を始める権限を認めていない。「昨年6月のイラン、今年1月のベネズエラ、そして2月の再度のイラン侵攻はいずれも、露骨な合衆国憲法違反だ」

米国家安全保障会議(NSC)と国務省で中南米政策を担当し、現在はシンクタンクのスティムソン・センターで中南米プログラムの責任者を務めるベンジャミン・ゲダンも、カストロの起訴を理由とした軍事作戦の合法性に疑問を呈した。一方で、そうした法的な問題がトランプ政権の歯止めになるとは限らないとの見方も示している。
 

米特殊部隊デルタ・フォースは賞金目当てに犯罪者を追いかける組織ではないし、国際法であれ国内法であれ、起訴状を口実に、その人物を追って相手国に侵攻する権限がトランプにあったわけでもないと、ゲダンは本誌に語った。「だが、トランプはそれでもベネズエラに米軍を投入して指導者を拘束した」

一方、キューバ政府はカストロの起訴を非難するとともに、96年の民間機撃墜事件をめぐるアメリカ側の説明にも異議を唱えている。

「米政府には起訴を行う正当性も管轄権もない」とキューバ政府は声明で主張し、96年の事件を都合よく利用した卑劣な政治的挑発だと批判。また、撃墜された2機は「米マイアミを拠点とするテロ組織『ブラザーズ・トゥ・ザ・レスキュー』の航空機」で、「敵対的な目的で領空侵犯を繰り返していたことは公然の事実だった」としている。

この組織を率いるホセ・バスルトは自分はキューバ政府に対する破壊工作に関与したCIA工作員だったと裁判で証言している。一方、米司法省は、キューバ政府が同組織に工作員を送り込み、2機を撃墜するための情報収集を行っていたとみている。

脅しには現実味があるかも?
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