「危険を危険と意識できない」が最も危険
「リアリティー」の追求という点で参考になるのが、アイスランドの社会教育、すなわち啓発活動である。かつてアイスランドの道路を走っていたとき、道沿いに奇妙なオブジェが見えたことがあった(写真)。近づいてみると、それは実際の事故で大破した2台の車だった。案内してくれたアイスランド人は、この啓発手法を誇らしげに語っていた。
危険なことを危険だと意識できないことが、最も危険である。そのためには、リスクのリアリティーを直視することから始めなければならない。もちろん、教育にも報道にも配慮は必要である。しかし、配慮を理由に現実を隠してしまえば、私たちは「憂い」を持つことができず、結果として「備え」も生まれない。
「注意一瞬、事件一生」である。リスクマネジメントを成功させるため、リスクのリアリティーを踏まえて、「憂いなければ備えなし、備えあれば憂いなし」を実践すべきではないだろうか。
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