急性期在宅医療(AHCAH)
コロナ禍で病床需要は急増し、限界に近づいた入院病棟や救急部門の負担を軽減するべく、米保健福祉省傘下のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は20年11月「急性期在宅医療(AHCAH)」イニシアチブを開始。
特定のメディケア(高齢者医療保険制度)認定病院は患者の自宅で病院水準の医療提供が可能になった。
これ以前から在宅入院モデルは世界的に普及し、アメリカでも特定の疾患を対象に試験的に実施されていたが、この新制度は前例のない注目を集めた。アメリカでは入院患者の大部分を65歳以上が占めており、メディケアによる公的補塡なしには在宅での治療を実現することが難しかったためだ。
25年7月時点で39州の400超の医療施設がAHCAHに参加。対象となるのは、主に呼吸器・循環器疾患や腎臓病や感染症の患者だ。
多くの施設は、遠隔モニタリング、在宅看護、訪問リハビリ、オンライン診察を組み合わせ、患者の自宅で病院並みの医療を提供している。遠隔モニタリング装置はボタン1つで操作可能なものが多く、病院にデータを自動送信できるので、操作に不慣れな人たちの負担を減らせる。
テキサス州サンアントニオのユニバーシティヘルスは、在宅ケアイニシアチブを導入した病院の1つ。21年以降、在宅入院プログラムを通じて3400人を超える患者を受け入れた。その結果、病床1万7500床以上を重症患者に割り当てることができ、病院側のコストを1700万ドル余り削減した。
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