国連は15日、シリアで複数の学校と病院がミサイル攻撃を受け、民間人ら50人近くが死亡したと発表、明白な国際法違反として非難した。国連安全保障理事会はこれについて16日に協議する見通しだ。

 トルコ国境に近いシリア北部アザズでは、小児病院と難民を収容している学校にミサイルが着弾、少なくとも14人が死亡したもようだ。

 アザズでは、掌握を目指すシリアのクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」と、これを阻止しようとするトルコとの対立が激化。トルコ軍は15日で3日連日、YPGの拠点に対する砲撃を行っている。

 トルコは、YPGがアザズを掌握しようとすれば「最も激しい反撃にあう」と警告。トルコのダウトオール首相は、アザズへのミサイル攻撃について、YPGを支援するロシア軍によるものだとして非難した。

 また、国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は、北部イドリブでMSFが運営する病院などが爆撃を受け、少なくとも7人が死亡し、スタッフ8人が不明になっていると明らかにした。

 MSFの責任者は、シリア政府軍かロシアによる攻撃との見方を示したが、ロシアのスクボルツォワ保健相は空爆対象を「イスラム国」の施設に限定しているとし、MSFの見方を否定した。

 米国やロシア、欧州など関係国は先週末、ドイツ南部ミュンヘンで開いた国際シリア支援グループの会合で「1週間以内の停戦」を呼び掛けることで合意しているが、停戦の先行きに早くも暗雲が漂っている。

 ロシア国連大使は、ロイターが入手した安保理関係者の電子メールで、「トルコのシリア領への武力行使に深い懸念」を表明し、安保理会合の開催を呼びかけた。

 安保理会合は現地時間16日の早い時間に開催される予定で、国連高官がシリア情勢について説明するという。

[キエフ/ベイルート/国連 15日 ロイター]
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