共感力は枯渇し、チームは上司の機嫌取りに終始し、イノベーションは停滞し、真実は──「パフォーマンス」が「存在感」に勝る文化のなかで──最初に犠牲になる。

権力はそれをさらに悪化させる。地位が上がるほどフィードバックは予算黒字より早く消えていく。リーダーたちは「CEOバブル」に閉じ込められる。そこは、イエスマンとお世辞に囲まれた心地よいエコーチェンバー──プライドは腐敗し、「責任」という言葉が忌み嫌われる空間だ。

その帰結が、自己認識のある者とない者に分断された国家。権力者たちは、自分が「不可欠な存在」だという幻想のなかで生きている。

視界のなかの死角──「盲点」について考えてみてほしい。車の運転中なら、ミラーを調整しなければ事故の原因になるあの領域。教習中の娘が苛立ちまじりに言ったことがある。「なんで車って盲点があるの?バカみたい!」......その通りだ。

今どきのスマートカーには、見落としを補うセンサーが搭載されている。リーダーシップにも、同じ仕組みが必要だ。フィードバック、内省、そしてときには謙虚さを突きつけられるような厳しい現実が、危険な盲点を小さくしてくれる。

だが、現代のデジタル社会は自己認識の「暗殺者」だ。SNSは内省ではなく自己陶酔を促し、リーダーたちは「いいね」欲しさに真実ではなく「演出された自分」を追いかける。その影響には無自覚なまま。

あの動画を見てアメリカ人はうんざり
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