<欧米のウクライナ支援額はGDPから見ても「かすり傷にもならない」微々たる額。「金銭的負担」は支援停止の言い訳にしかならない──>

今こそヨーロッパの出番だ──。ルクセンブルクのポース外相(当時)が誇らしげにそう言ったのは1991年の夏。既にソ連は緩慢だがほぼ平和的な崩壊に向かっていた。しかしバルカン半島のユーゴスラビアでは民族間の緊張が高まりつつあった。

ユーゴスラビアはヨーロッパの連邦国家であるため、ポースらは仲介役として現地に出向いた。右の言葉は、現地の空港に降り立った彼が発したもの。あいにくバルカン半島では、その後10年以上も民族間の殺戮が続いたのだが。

以来約30年、ヨーロッパでまた別の国が分断と崩壊の危機に瀕している。ウクライナだ。ポースの夢を受け継ぐなら、今度こそヨーロッパの出番だ。一致して立ち上がり、ウクライナを救わねばならぬ。

ヨーロッパには自分の安全を守る努力が足りないと、アメリカ大統領に復帰したトランプは言う。まあ、一理はある。そもそも欧州諸国だけでウクライナを守れるわけはなく、軍事支援では一貫してアメリカが主導的な役割を果たしている。

それは事実だ。しかしヨーロッパの真摯な貢献を忘れてもらっては困る。

キール世界経済研究所(ドイツ)によると、ヨーロッパ(EU本部とその加盟諸国+ノルウェー+イギリス)によるウクライナ支援の金額はアメリカを上回る。

昨年末時点でアメリカの拠出額は880億ユーロ(約910億ドル)だったが、ヨーロッパは1250億ユーロ(約1280億ドル)。またヨーロッパは今後数年、約1200億ユーロの追加拠出を決めているがアメリカのウクライナ支援の行方は不透明だ。

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「金銭的な負担が重すぎる」は言い訳にしかならない
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