国家安全保障、外交関係、英国内の政治対立を巻き込む

英中黄金時代から対中強硬路線に急旋回した保守党は「大使館がスパイ拠点として利用されることは明らかだ。悪意ある利用に関する重要な情報は中国当局によって隠蔽されている。英国の国家安全保障が脅かされており、労働党の閣僚は現実から目を背けている」と警戒する。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアオシェン・プスツァゼリ氏は「大使館と別棟を結ぶ地下トンネルや地下室が設計され、光ファイバーケーブルの盗聴や地下アクセスによる情報収集活動が懸念される。近くにBTの通信施設や3つデータセンターがある」と指摘する。

「用途不明の屋上構造を備えた7階建てのエンバシーハウスはSIGINT(信号諜報)収集用に設計することもできる。スーパー大使館構想は国家安全保障、外交関係、スパイ同盟、英国内の政治対立を巻き込む複雑な問題」

スターマー政権が経済再建と対中関係改善を優先する一方で、トランプ米政権との信頼関係やアングロサクソン系のスパイ同盟「ファイブ・アイズ」の安定性を損なうリスクが現実味を帯びているとプスツァゼリ氏はCSISのポッドキャスト(6月13日付)で指摘している。

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