「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手、審判の指摘に絶句

2021年7月21日(水)22時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

<「願わくば、東京でも着用したい」とオリビア・ブリーンは語る>

東京パラリンピックに陸上競技で出場予定の英代表選手オリビア・ブリーンは、日曜に走り幅跳びで出場した英国選手権で、競技用のショーツが「短すぎて不適切」として女性審判から指摘された。

これに対してブリーンは、「言葉を失った」と振り返っている。

脳性麻痺を患う24歳のブリーンは、2012年のロンドンパラリンピックの100メートル走で銅メダルを獲得。15年と17年の世界パラ陸上競技選手権では、100メートル走と走り幅跳びでそれぞれ金メダルを獲得している。8月に開催される東京パラリンピックでも同じショーツを着用する予定だという。

ブリーンは今大会後、ツイッターで大会審判に向けて謝意を示すと同時に女性審判の指摘に対して疑問を投げかけた。

「私は何年も同じスプリントスタイルのブリーフを履いていて、これは競技用に特別にデザインされたものです。願わくば、東京でも着用したいと思っています」

この問題について、同じ状況で男子選手が特別視されることはなかっただろうと漏らした。

イギリス陸上競技連盟(UKA)に正式な苦情を申し入れると語ったブリーンは、女性が気後れするようなことがあってはならないとコメントした。

月曜には、競技で着用したユニフォーム姿の写真とともに胸の内をツイッターに投稿。

「あたたかい応援メッセージをありがとうございます。他の多くの人にも起こっていることだと聞いて残念でなりません」と書き込んだ。

この一件は、ブルガリアで開催されたビーチハンドボール欧州選手権でノルウェー代表チームの選手たちがビキニ着用を拒否して罰金を科されたのとほぼ同時に起こった。

国際ハンドボール連盟(IHF)は、試合に出場する女子選手はスポーツブラとビキニボトムを着用しなければならないと規定している。

ノルウェーの選手たちは、この規則と罰金措置を承知の上で試合に臨んだ。

「(ビキニは)無駄に性的で、不快な気分にさせられる」と訴えた。

女性アスリートは競技だけでなく、向けられる視線との戦いも強いられている。

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