オーストラリアのクリスマスに欠かせないもののひとつといえば、食卓を飾る「赤い」さくらんぼ。

仲間同士で食べ物や飲み物を持ち寄りするクリスマス・パーティーでは、必ず数人がさくらんぼを持参するため、テーブルの上にこぼれんばかりのさくらんぼの山が出現。クリスマスらしい赤い色でパーティに彩を添える。みずみずしくて甘酸っぱいさくらんぼは、老若男女問わず人気だ。

そして、クリスマス休暇に子供たちを連れて家族で楽しむ恒例行事のひとつのようになっているのが、「さくらんぼ狩り」だ。自らの小さな手でさくらんぼを摘み、その場で頬張って、口の周りを真っ赤に染めている子供たちの笑顔はまぶしいばかり。

そんな、「オーストラリアのクリスマス・シーズン恒例のお楽しみが消え去った」という衝撃的なニュースが、豪国内最大のさくらんぼ産地から届いた。

なんと、今年はクリスマスを待たずして「さくらんぼ狩り」が終了したというのだ！

例年より2週間早く始まった2023年さくらんぼシーズン

さくらんぼ生産者たちは口を揃えて、今年は例年より2週間も早くシーズンが始まり、あっという間に終了してしまった...と嘆く。

オーストラリア国内最大のさくらんぼ産地「ヤング」の隣町「ウォンバット」のさくらんぼ農園では、12月10日にさくらんぼ狩り終了を発表。今年はこの26年間で最も奇妙な天候で、こんなにも短く、早くシーズンを終えることになったのは初めてだという。

たしかに、先週と先々週、海沿いのシドニーでも40℃近くまで上昇した暑い日が2日ほどあったが、この時、内陸部のさくらんぼ産地では、数日間に渡って灼熱の太陽が降り注ぎ、暑くて乾燥した日が続いていたようだ。

この例年より早くやってきた熱波のおかげで、さくらんぼの実はあっという間に熟してしまい、全部摘み取ってしまわないといけない事態に陥ったのかもしれない。それにしても、『クリスマス前にさくらんぼ狩りシーズン終了』のニュースは、さくらんぼファンにとっては悲しすぎる...

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-- Miki Hirano (@mikihirano) December 14, 2023

私自身も大のさくらんぼファンのひとりだが、ちょうどこのクリスマス時期に国内最大のさくらんぼ産地方面へ行く予定があったので、本当にがっかりしているし、残念でならない。しかもこれで、今年はたわわになったさくらんぼを前に、サンタ帽を被ってはしゃぐ子供たちの姿を見ることはできなくなった。。なんとも寂しい限りだ。

急激に気温が上昇したり、豪雨になったりと、めまぐるしく変わる異常な気象に翻弄され、「今の季節の旬のもの」という定義も崩れていってしまうのだろうか...〈了〉