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韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解消の一方、空洞化と失業が進む隣国の苦悩

2026年3月30日(月)20時00分
佐々木和義

週4.5日労働で52%が生産性アップと回答

試験事業に参加した企業の多くが月曜から木曜を8時間労働、金曜日を4時間労働とするなか、水原のある組合は月曜の午前中休み、火曜から金曜を8時間労働とする4.5日制を導入した。月曜午後は在宅勤務を可能とすることで「月曜病」の精神的負担を軽減、効率化につながったという。

週4.5日制を経験した会社員を対象に実施したアンケートで52%が業務の生産性が上がったと回答し、変化がないという回答は37%、低下という回答は11%にとどまった。生産性を落とす主な要因は「組織文化」と「非効率的な手続き」が、いずれも23%で1位となり、企業が憂慮する「労働時間不足」は最も低い5%だった。

週4.5日制は概ね高評価だが、業種や職種が限られるという声がある。試験運用を始めた京畿道河南(ハナム)市は「地方公務員服務規程」で定められた週5日40時間を遵守するためフレックスなど柔軟勤務制度を活用したが、市民サービスの低下を防ぐため、部署別欠員率が30%以内とするよう厳格な管理が求められている。

事務職は比較的導入しやすいが、介護や医療といった社会サービスは人材確保と賃金補填、業務の再設計が求められる。外食業や宅配、生産職は綿密なシフト管理が必要な上、人材に余裕がない中小サービス業は導入自体が難しい。

週4.5日制を求めるストと反対する署名運動

従業員を雇用せずに営業する一人店舗

従業員を雇用せずに営業する一人店舗(撮影=筆者)

25年9月から10月にかけ、相反する2つの争議が発生した。銀行や保険、証券会社などの勤労者が所属する全国金融産業労働組合(金融労組)が週4.5日制を要求するストライキを実施、10月には小商工人連合会と韓国外食業中央会が週4.5日制に反対する100万署名運動を行った。

規模が大きい金融機関はシフト制の導入などで対応できるが、小規模事業者はそうはいかない。現在、5人以上の事業所に適用されている週52時間制や延長・休日・夜間勤労手当など、2027年までに5人未満事業場にも拡大される予定である。 休日と夜間勤労手当は賃金の1.5倍、休日夜間勤労は2倍の賃金支給が義務付けられる。 週4.5日制が導入されると人件費負担がさらに増えることになる。

2024年に廃業した自営業者は100万人。廃業率は9.04%で、10人に1人が廃業した計算だ。従業員を雇用していない1人事業者は73%に達するが、週4.5日制が導入されると1人事業者がさらに増え、結果として失業率が拡大する可能性が拭えない。

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