最新記事
日本社会

住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で全国の空き家率は急上昇する

2026年2月25日(水)11時30分
舞田敏彦 (教育社会学者)

同じやり方で全都道府県の2053年の空き家率を試算し、各県を塗り分けた地図にしてみた。<図1>は、2023年と2053年の地図を並べたものだ。

newsweekjp20260225014940.png


今後30年間の変化を見て取れるが、全体的に地図の模様が濃くなっている。2023年では空き家率が20%を超えるのは6県だけだったが、2053年では都市部を除く大半の県に色が付いている。9つの県が30%超えで、徳島県と鹿児島県は40%超えだ。これでも控えめな予測で、実際は多くの県が一段上の濃い色で染まるだろう。

住宅の4~5割が空き家。近未来では、こういう地域がちらほら出てくると思われるが、激増する空き家を、社会を脅かす危険因子とするか、適切な用途に活用するかは政策次第だ。後者の例として、外国人(技能実習生など)の住まいとして空き家を活用する取り組みがある。また、身寄りのない単身高齢者への部屋の貸し渋りを解消すべく、保証人不要の死後事務委託契約を取り交わす動きも出ている。こういう取り組みを進めないと、家がない単身高齢者と、賃貸アパートの空き部屋が溢れ返ることとなる。

空き家と住居難民、食品ロスと飢餓......。日本社会では、何とも奇妙な組み合わせが同居している。「住」にせよ「食」にせよ、需要と供給をうまく結びつけることが重要だ。ICTを活用してこれを上手く進めれば、基礎的な生活条件に事欠く人は大幅に減らせるはずだ。

<資料>
総務省『住宅土地統計』

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中

ビジネス

円高につながる金融政策、「一つの選択肢」=赤沢経産
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 2
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦によって中国が「最大の勝者」となる理由
  • 3
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 4
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 10
    革命国家イラン、世襲への転落が招く「静かな崩壊」
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中