トランプの仲介もむなしく、タイ・カンボジアの紛争地域拡大へ...タイは燃料輸出遮断も検討
写真は12月14日、タイ・ウボンラチャタニ県の病院でカンボジアとの衝突で死亡したタイ軍兵士の棺に祈りを捧げる人々。REUTERS/Athit Perawongmetha
タイ軍は14日、カンボジアへの燃料輸出を遮断することを検討していると述べた。両国間の戦闘が沿岸部の国境紛争地域に拡大したことを受けた。
トランプ米大統領は12日、タイとカンボジアが「全ての攻撃を停止する」ことで合意したと明らかにした。これに先立ち、両国の首脳と電話会談を行っていた。
両国は5月の衝突でカンボジア軍兵士が死亡して以来、紛争が再燃。互いに攻撃を繰り返しており、双方でこれまでに数十万人が避難している。
タイ海軍は14日の記者会見で、軍司令官らがカンボジアへの燃料輸出遮断を議論しており、海軍に対して戦略物資を積んだ船に対する警戒を要請したと説明。また、カンボジア側の港周辺の海域を「高リスク」に指定したと明かした。報道官によると、この問題は15日の安全保障会議で協議されるという。
ただ、タイエネルギー省は12日、カンボジアへの石油輸出を6月から停止していると発表。同省によると、タイは昨年22億リットルの燃料をカンボジアに輸出していた。
一方、カンボジアは、タイが戦闘機や砲撃などで民間インフラを攻撃していると非難。タイ当局は14日、カンボジアが発射したロケット弾で兵士と民間人が死亡したとし、南東部トラート県で夜間外出禁止令を発令した。
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