最新記事
雇用

ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化させる

2025年11月19日(水)12時00分
舞田敏彦(教育社会学者)
建設現場

人手不足は特にブルーカラーの職種で際立っている photoAC

<建設工事従事者の求人倍率は8倍を超えているが、一般事務では反対に1つの仕事を3人が奪い合っているのが現状>

社会は国民の一定数が働くことで成り立っているのだが、人口減少と高齢化により労働力となり得る人の数はどんどん減っている。現在は「人手不足」の時代だ。

その現状は、労働市場の統計によって可視化できる。2025年9月時点で見ると、全国のハローワーク等に登録されている、常用労働者(パート含む)の有効求人件数は208万7362件。対して、登録されている有効求職件数は189万6782件。需要が供給を上回っている。


有効求人数を有効求職数で割ると1.10となる。これが有効求人倍率で、今では求職者1人に1つの仕事はある。選びさえしなければ職にありつける、ということだ。だが実際は、求職者が資格要件を満たしていなかったり、職を選り好みしたりするなどの理由で、職業ごとの求人数と求職数の間にはギャップが出る。

3つの大まかな職業グループ(農林漁業と分類不能の職業は除く)を設定し、求人数と求職数を対比すると<図1>のようになる。

newsweekjp20251119022240.png

3つのグループの合算で見ると、求人(需要)のほうが求職(供給)より多い。人手不足の「見える化」だ。しかしグループごとに見ると、ホワイトカラーは需要より供給が多い(供給過多)。特別な資格は要らない事務職の希望者が多いためだろう。

グレーカラーは、求人数に対して求職数がかなり少ない。サービス職や保安職などだが、介護や保安員といった職への需要が増えつつも、待遇の悪さからこれらの職を忌避する人が多いためと思われる。ブルーカラーも同じく供給過少だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英消費者向け融資、11月は2年ぶり大幅増 家計需要

ワールド

中国、パキスタンとの緊密な関係再確認 米の接近警戒

ビジネス

中国、ベネズエラ向け融資の報告要請 マドゥロ氏拘束

ワールド

ベネズエラ政府債価格が急伸、マドゥロ氏拘束で債務再
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 6
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    スペイン首相、アメリカのベネズエラ攻撃を「国際法…
  • 10
    顔も位置もDNAも把握される――米国で現実化する「SF級…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中