東大教授が自民と維新の連立を「なんちゃって連立」と指摘...「難しいかじ取りを迫られる」
――「自維政権」は安定しないか。
自公は文字通りの連立政権だったが、自民と維新は言わば「なんちゃって連立」だ。当人同士が勝手に「連立」と言っているだけで中身がない。公明はたとえ自民の問題であってもすべて内閣の一員として不祥事も含めて説明してきた。維新はそうはならないだろう。
――なぜそう考えるのか。
維新のレゾンデートル(存在理由)は奇想天外さだ。実現性は後回しで、常に注目を集める動きをしなければならない。だから朝令暮改も日常茶飯事。連立協議で注目された企業団体献金の禁止や議員定数削減を見ても明らかだ。
選挙を考えても、次期国政選挙で自民と維新は選挙区調整ができないのではないか。すでに自民内からも疑問視する声が出ている。まさに一触即発だ。自民にとって維新はパートナーどころか「ノイズ」になる可能性がむしろ高い。
――予算や法案審議が始まる。政策決定プロセスに変化はあるか。
自公政権では与党がほとんどの期間で過半数を維持し、事前審査など政策決定の仕組みが固定化していた。官僚らはある意味そこに乗っかってやっていればよかったわけだ。ただ、少数与党となり公明も失ったいま、無所属議員の賛成をどう得るのかがポイントになってくるだろう。維新があまりに言うことを聞かなくなれば、高市氏が国民民主や別の野党に再び目を向ける可能性もある。
――維新との連立で外交政策に変化はあるか。
高市氏が特に中国や韓国に対してどんなメッセージを出すかによる。韓国は対米関係が良好ではなく、岸田(文雄)政権や石破(茂)政権を通じて日本とはうまくやろうという方向だった。それが高市首相となり、配慮してくれた公明もいなくなった。今後他国とどういう関係を築けるのか読みづらい状況だ。
――長期政権となりそうか。
まずは臨時国会をしのげるかどうかがハードルだ。外交日程が立て込む中で議員定数削減をどう実現するのか。ガソリン暫定税率廃止の話もある。逆に臨時国会中に自民、維新、無所属など多数派形成にめどが立てば、来年の通常国会を乗り越えることも可能かもしれない。
ただ、基本的には難しいかじ取りになるだろう。維新など党外の要素はもちろんだが、そもそも高市氏のリーダーシップが今のところ見えない。なんでも1人で決めている感もあり、周辺に優秀なスタッフがいるのかどうかも疑問だ。高市氏個人は秀才ではあるのだろうが、政治家としての幅が非常に狭い印象もある。
――高市首相誕生は政治の大きな動きの発端になると。
発端が高市氏なのか公明の連立離脱なのか。私は後者だと思う。これは野党にとってはチャンスでもある。立民が自民に取って代わるような中道政党に変貌すれば、政権交代が可能になるかもしれない。これまで立民は共産党に頼っていたが、公明が野党となり、右の参政党が自民と選挙区で競争し始めた以上、共産の組織票に頼って左の政策に縛られなくてもよくなった。国民民主、公明と連携する選択肢に現実味が出てきた点は、中道路線を探るうえで非常に大きいことだ。
(聞き手・鬼原民幸 編集:久保信博)


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