韓国・李在明政権の景気刺激策「民生回復消費クーポン」給付開始も混乱続出 システム障害・情報漏洩・現金化問題が発生
フリマサイトでの転売も
発給が始まると、日本のメルカリのようなフリマサイトの「タングンマーケット」や「中古ナラ」に「民生回復消費クーポンを販売する」という投稿が相次いで掲載された。 15万ウォンがチャージされたプリペイドカードを現金13万ウォンで売るという掲示やクーポンで代理決済するので口座に送金してほしいという書き込みもあった。こうした動きに対して行政安全部は急遽、現金化対策に乗り出した。「補助金管理に関する法律」や「与信専門金融業法」など関連法規を適用し、最大3年の懲役刑を課すほか、政府をだまして財産上の利益を得る行為が刑法上の詐欺にあたるして監視を強化することにした。
地方では使える店舗がない地域も......
消費クーポンを使用できる加盟店は年商30億ウォンの中小事業者で、韓国全土で店舗を展開する農協ハナロマートは本来ならば対象外だが、小売店はハナロマートしかない農村も少なくない。行政安全部は119店舗のハナロマートで使用できる例外措置を設けたが、これはハナロマート全店の10%にとどまっている。クーポンは受給者が居住する市郡内でのみ使用可能で、地元を離れた子や孫にあげるわけにもいかず、使える店舗がない地域住民は困惑している。
こうしたクーポンの使用可能地域についての問題は都市部でも起きており、その一つがソウル郊外の慰礼(ウィレ)新都市だ。ソウル市松坡(ソンパ)区と京畿道城南(キョンギドソンナム)市、河南(ハナム)市の3市にまたがる住宅地で、中央商店街は城南市に形成されている。ソウル松坡区の住民や河南市の住民は城南市に位置する商店街でクーポンを使えず、城南市の住民も松坡区や河南市の店舗ではクーポンを使用できない。松坡区の住民はソウル市内で使用できるが、河南市の住民は離れた市街地にでかけるほかなく、苦情を受ける京畿道は頭を抱えている。
システム障害や個人情報漏洩、違法な現金化、地域格差など多くの課題を抱えるが、7月31日までに全体対象者の90%に相当する4555万人が申請し、計8兆2371億ウォンが支給されるなど一定の経済効果を上げている。