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戦争

日本では「戦争が終わって80年」...来日して35年目のイラン人が、いま噛み締める「平和の意味」

2025年7月19日(土)13時00分
南 龍太(ジャーナリスト)

「戦争ではなく対話を」とレファヒーさん

「今回起きたことによって、本当に心が折れています。できれば世界の皆さんと協力して、戦争が広がらないようにと願います」。レファヒーさんの言葉には一貫して「平和」への強い願いがある。

イラン・イラク戦争を経験したレファヒーさんにとって、戦争は遠い昔の出来事ではない。日本が戦後80年を迎える中で、レファヒーさんは平和の尊さをあらためて感じている。「平和な戦後80年は素晴らしいこと。でも今、世界の情勢は危険な方向に向かっています。小さなことが大きな衝突につながるかもしれない」

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従軍していた当時10代のレファヒーさん(右、同氏提供)


インタビューの最後、レファヒーさんは静かに、しかし強い意志を込めて語った。

「対話を大切にしてほしい。これが私の願いです」

30年以上前、戦争の記憶を胸に平和な国を求めて日本にやってきた一人の青年は、今も変わらず平和への希求を抱き続けている。戦争の記憶を持つ者として、そして異郷の地で試練を乗り越えて調和しながら生きてきた証人として、レファヒーさんの言葉は、分断と対立が深まる世界への重要なメッセージとして重く響く。

戦争ではなく対話を──。世界が不安定さを増し、分断が進む中、静かに、それでも力強く「平和」を語る人の声に耳を傾けたい。

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ペルシャ絨毯専門店「CASPIAN(カスピアン)」を営むレファヒーさん、イラン北部カスピ海沿岸のラシュト出身(筆者撮影)

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