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日本では「戦争が終わって80年」...来日して35年目のイラン人が、いま噛み締める「平和の意味」

2025年7月19日(土)13時00分
南 龍太(ジャーナリスト)
日本で生活する外国人の本音

インタビューに応じるレファヒーさん(筆者撮影)

6月に戦火を交えた米国とイラン。停戦したとはいえ、一触即発の緊張状態は変わらず、予断を許さない情勢が続く。

戦乱は、東京・吉祥寺でペルシャ絨毯を販売するイラン出身のアハマッド・レファヒー(アリ)さんのビジネスにも暗い影を落としている。自身は10代の時にイラン・イラク戦争が勃発、従軍した経験もし、戦争を身近でより現実的なものとして捉える。

●記事前編:「「美しい国」に来て35年...日本にとけ込む努力を続けたイラン人が語る「日本で暮らす外国人」の本音

「戦争ではなく対話を」。今年2025年は第二次世界大戦終戦から80年の節目の年。しかし、「第三次世界大戦」といったきな臭い言葉がSNSなどで飛び交い、不穏な動きもある。そうした中、レファヒーさんは一貫して平和を希い、武力は解決につながらないと訴える。


イランの雄大な大地の記憶と歴史を横糸に、イラン各地の織り手の思いと願いを縦糸に編み込んだ手織りの絨毯は、それぞれ風合いや趣が異なり、1つとして同じものがない。その織り手は、辺境の地で暮らす手先が器用な10代の少女であることも珍しくない。

祖国に迫る危機を憂いつつ、正常化の時、平和な時代が訪れるのを待ちながら、絨毯に託された織り手の平和の願いをつなぎ続ける。来日して今年で35年を迎える中、レファヒーさんは平和の意味を嚙み締めている。

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