「これが自衛ですか?これは戦争犯罪です」...パレスチナ大使が語ったイスラエルとの葛藤とハマスへの思い

2025年7月12日(土)17時08分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)

外交においては、誰とでも話しをしなければいけません。そして、私たちの仕事は個人的なものではありません。私は個人的に非常に親しくしていた元イスラエル大使も何人かいました。

私たちは、過去に何が起こったかについて意見交換をしていました。以前は、いかにして決定的な平和に到達するか、いかにして二国家解決に到達するか、ということを話していたのです。

日本政府は2つの独立した国家による2国家解決を信じています。今日、約150カ国がパレスチナを承認しており、日本がパレスチナ国家を承認することを願っています。私たちは国連に加盟しているので、日本が承認するためのすべての基準を満たしています。

──あなたの見解では、2023年10月7日にイスラエルでは何が起きたのか。

問題は、誰もが10月7日に何が起こったかについて話していることです。しかし、彼らは過去に何をしてきたかを忘れています。今日何が起こっているかを理解するには歴史を知る必要がある。

パレスチナ人は、長期間にわたるイスラエルによるパレスチナ領土の軍事占領を経験してきました。イスラエルは国家になる前、ヨーロッパから来てイギリスがパレスチナに入ることを許可してから、イスラエルはジェノサイドと虐殺を行い、それが続いています。

かつてイギリスが「イスラエルのテロリスト集団」と呼んでいた集団が、今日のイスラエル国防軍になったのです。この軍隊によるパレスチナ領土の軍事占領は過去70年間続いてきました。

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