最新記事
冷戦

トランプは「冷戦2.0」に勝てるのか?外交での3つの選択肢

Can Trump Win Cold War 2.0?

2024年12月18日(水)16時31分
練乙錚(リアン・イーゼン、経済学者)

外交での3つの選択肢

1950年までに東欧ではソ連の支配圏が確立され、東アジアでは北朝鮮と中国で共産主義独裁者が権力を掌握していた。

一方、西側の政治家には反共産主義のタカ派が多数存在し、明確なビジョンと戦略とロードマップを提示できる偉大な人材も台頭した。


その代表格のジョン・フォスター・ダレスはトルーマン政権下の51年、国務長官顧問として日米安全保障条約による日米同盟の確立と、サンフランシスコ講和条約による太平洋戦争の正式な終結を主導した。

朝鮮戦争終盤にはアイゼンハワー政権の国務長官として共産主義の「封じ込め政策」に携わった。

具体的には西太平洋の島々に軍事基地を設置し、台湾をその中核とする「列島線」構想に加えて、第1列島線上の人口の多い国々の経済発展を支援した。

この戦略は長期的に効果的で、支援された国々は今もアメリカの友好国だ。

だがトランプは当時の戦略を単純に再利用することはできない。

歳月を経て、弱点が目立つためだ。

台湾は主要な同盟国からの外交的承認を失い、兵器を国際市場で自由に調達できない。概念的にも、封じ込め政策は中国の共産主義という魔物が瓶に閉じ込められていた時代の遺物だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英インフレ期待、10月は4月以来の高水準=シティ・

ワールド

独総合PMI、10月53.8で2年半ぶり高水準 サ

ワールド

アングル:米FRBの誘導目標金利切り替え案、好意的

ビジネス

長期・超長期債中心に円債積み増し、ヘッジ外債横ばい
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 8
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中