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荒川河畔の原住民⑬

ホームレスは助け合うのか、それとも冷淡で孤独なのか...不思議な「兄弟分」の物語

2024年11月27日(水)18時45分
文・写真:趙海成

とはいえ、桂さんにとって、隣に斉藤さんのような信頼できる友人がいることそのものが、天の恵みのようなものなのだろう。何かあったらすぐに相談できるし、誰かと話をしたいと思ったら、声をかければ斉藤さんがすぐ来てくれる。

それだけでなく、夜中の野外では兄弟分のいびきが聞こえる。孤独なホームレス生活で寂しさを和らげ、恐怖を取り除き、安心して眠るための最高の安眠法ではないだろうか。

※ルポ第14話:突然姿を消した荒川ホームレスの男性 何が起こったのか、残された「兄弟」は... に続く


(編集協力:中川弘子)


[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。

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