最新記事
自民党総裁選

人気の小泉か経験の石破か──自民党「生まれ変わり」への本気度を問う

TIME FOR A CLEAN BREAK

2024年9月6日(金)16時15分
村田純一(時事通信解説委員)
小泉進次郎元環境相

9月6日、都内で出馬会見に臨んだ小泉進次郎元環境相  Kim Kyung-Hoon―REUTERS

<自民党総裁選の最大のテーマは「政治とカネ」。裏金事件で窮地の自民党は、総裁の顔をただ替えるだけでは意味がない>

自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)の勝者は誰か。裏金事件で多くの有権者の信頼を失った自民党は、新総裁の下で本当に生まれ変わるのか。総裁選は決選投票までもつれ込み、元幹事長・石破茂(67)、元環境相・小泉進次郎(43)を軸に激戦が予想される。有権者の不信を払拭する最大のテーマは「政治とカネ」。自民党の自浄能力、党改革への本気度が問われる。(敬称略)

◇ ◇ ◇


東京・永田町の自民党本部1階ロビーに総裁選のPRポスターが掲示されている。歴代総裁26人の写真。安倍晋三、田中角栄、小泉純一郎が大きく目立つ。


今回の自民党総裁選で、新たな「顔」が誕生し、歴代総裁の仲間に加わる。ただ、「顔」だけ替えても意味はない。政治とカネをめぐる党の体質を変えないと有権者の不信は払拭できない。自民党は総裁選後できるだけ早く、新しい「選挙の顔」の下で衆院解散・総選挙に臨みたいと思っている。「新総裁のボロが出ないうちに総選挙が望ましい」(自民関係者)とも言う。

「総裁選は内閣総理大臣を選ぶということを念頭に置いて投票すべきだ。だが今はそういう視点がない。自民党議員は誰が次の総裁なら自分は選挙で生き残れるか、そんなことばかり考えている」。元自民党事務局長・久米晃はこう指摘した。国家・国民のことよりも自分の選挙、「個利個略」の政治家が増えているようだ。

「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」。8月14日、首相(自民党総裁)の岸田文雄は緊急記者会見を開き、9月の総裁選に出馬せず、任期いっぱいで退陣すると表明した。

ここ数カ月、内閣支持率は20%前後で低迷。「岸田政権で次期衆院選は戦えない」という声は与党内に渦巻いていた。1988年のリクルート事件、2009年の民主党への政権交代の時よりも「自民逆風」は強いと方々で指摘されている。

最大の原因は、派閥の裏金事件の対応など自民党の政治とカネをめぐる問題だ。岸田は真相解明に及び腰で、自らの責任は取らず、裏金づくりに関与した議員に対する党内の処分も甘かった。ほとんどの「裏金議員」は国会の政治倫理審査会で説明責任を果たしていない。

岸田はぎりぎりまで総裁選での再選を模索したが、有権者の信頼は回復できず、「勝てない」ことを悟り、退陣に追い込まれたのである。必然の結果だった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中