最新記事
民主党

民主党の副大統領候補ウォルツには深いチャイナコネクションがあった

Tim Walz's China Connection Explained

2024年8月7日(水)15時28分
ゲイブ・ウェスナント
民主党の大統領候補カマラ・ハリス夫妻と副大統領候補ティム・ウォルツ夫妻

副大統領候補に指名したウォルツ(右から2人目)を紹介するカマラ・ハリス。右端は妻のグウェン・ウォルツ(8月6日、フィラデルフィア) Photo by Lev Radin/Sipa USA

<ウォルツはアメリカ政府の許可を得て中国で教育活動を行なった最初のグループの一人。教師として中国の高校で教鞭を取り、新婚旅行も中国だった>

民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領から、次期副大統領候補に指名されたミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、教育者として中国と深いつながりがある。

カマラ・ハリスは「手ごわい敵」...トランプが苦戦する5つの理由【アニメで解説】

元下院議員で現在60歳のウォルツは、生まれ故郷のネブラスカ州にあるシャドロン州立カレッジで1989年に、社会科学教育で学士の学位を得た。同州の新聞リンカーン・ジャーナル・スターによると、ウォルツは1985年に、ヒューストン大学で東アジア研究の授業も受けていたという。

大学卒業後、ハーバード大学の「ワールドティーチ(WorldTeach)」プログラムの一環で、約1年間にわたって中国の高校で教鞭をとった。ウォルツは、アメリカ政府の許可を得て中国で教育活動を行なった最初のグループの1人。

報道によると、長く陸軍州兵の一員でもあったウォルツは、中国の高校生に対して、アメリカの歴史や文化、英語を教えたという。

「あの地を訪れたことは、私が今まで行った中でも最高のことの1つだ」──中国から帰国後、ウォルツはネブラスカ州兵向けの機関紙にそう語った。

それから5年後、ウォルツは同じく教師の新妻グウェンと、新婚旅行を中国で過ごした。夫妻はこの間、中国ツアーに参加した2つの高校のグループを率いていたと、ジャーナル・スター紙は伝えている。

中国旅行の企画会社も経営

本誌が調査した業務記録によると、ウォルツ夫妻は1994年、「エデュケーション・トラベル・アドベンチャーズ」という企業を設立した。同社は、毎年の中国への学生旅行を企画する企業だった。妻であるグウェン・ウォルツの略歴には、今や副大統領候補となった夫とともに、2003年までこれらの旅行を企画していたとの記述がある。

グウェン・ウォルツはミネソタ州で育ち、グスタバス・アドルファス・カレッジとミネソタ州立大学を卒業している。大学卒業後は、ネブラスカ州西部で英語(国語)を教え、のちに夫となるティム・ウォルツと出会った。その後、グウェンはミネソタ州マンケイト地域の公立学校区の監督官や調整官を務めたことが、本誌が調査した記録で判明した。

マンケイト地域の公立学校区では、夫のティム・ウォルツも社会の授業を持ち、学校のアメフトチームの指導補助も行なっていた。

ウォルツは2018年、ミネソタ州知事選挙で共和党候補のジェフ・ジョンソンを破り、以来
ミネソタ州知事を務めている。それ以前は、2007〜2019年まで、ミネソタ州第1区から選出され、連邦下院議員を務めていた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債権者、返済猶予延長承認し不履行回避 

ビジネス

ロシアの対中ガス輸出、今年は25%増 欧州市場の穴

ビジネス

ECB、必要なら再び行動の用意=スロバキア中銀総裁

ワールド

ロシア、ウクライナ全土掌握の野心否定 米情報機関の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 10
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中