最新記事
ウクライナ戦争

「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所にウクライナの無人機が突っ込む「劇的瞬間」

Russia Hit by Gas Shortages as Drones Attack Its Biggest Black Sea Refinery

2024年7月23日(火)21時45分
ブレンダン・コール
トゥアプセにあるロシアの石油大手ロスネフチの製油所

トゥアプセにあるロシアの石油大手ロスネフチの製油所(2021年8月) Vladfotograf-Shutterstock

<ロシア国内のエネルギー施設への攻撃を強めるウクライナ。これまでにも標的になってきた黒海沿岸トゥアプセの大規模製油所が、またしてもドローン攻撃の被害に>

ウクライナによるものとされるドローン攻撃によって、またしてもロシアの製油所が破壊された。ロシアのエネルギーインフラを標的にした攻撃が続き、国内のガソリン価格に影響が出るのではないかと懸念が高まる中でのことだった。

【動画】轟く爆音と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所にウクライナの無人機が突っ込む「劇的瞬間」

ロシア当局によれば、7月21日夜から22日朝にかけて、ウクライナのドローン75機以上がロシア各地を攻撃した。

標的の中には、ロシアにとって黒海最大の製油所であるトゥアプセの製油所が含まれていた。地元当局によれば、撃墜されたドローンの破片が原因となって火災が発生したという。

ウクライナは直接的な関与を認めることなく、ロシアのエネルギーインフラに対するドローン攻撃を強化している。ロシアの戦争体制に資金等が供給されるのを遮断するためだ。

ロシアは石油資源に対する制裁を受けているにもかかわらず、依然として石油から利益を得ている。ただし、ウクライナによる製油所へのドローン攻撃が続いていることから、ロシア政府は国内価格の安定を守るため、3月から7月までガソリンの輸出を禁止した。

ロシア連邦反独占庁は先週、輸出禁止をさらに延長する可能性があると述べた。特に新型車に使用されるハイオクガソリンが不足していることにより、価格の不安定化が懸念されるためだ。

ロイターによると、ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は先週、ハイオクガソリンの問題に言及し、ガソリン供給に関する「状況が緊迫化」すれば、8月1日以降、輸出禁止措置を再び発動する可能性があると説明した。

ウクライナのキーウ・インディペンデント紙は関係筋の話として、22日未明のトゥアプセへの攻撃は、ウクライナ国防省情報総局(HUR)によるものだと伝えている。

ウクライナメディアの報道によれば、22日午前3時半ごろ、現場上空でドローンが探知され、ロシアの防空システムが自爆型ドローン4機の撃墜を試みたという。そして午前6時25分ごろ、製油所が少なくとも8機のドローンによる攻撃を受けた後、一帯で少なくとも2回の大きな爆発音が聞こえたと報じられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

欧州10銀行、ユーロ連動ステーブルコインの新会社設

ビジネス

豪GDP、第3四半期は前年比2年ぶり大幅伸び 前期

ビジネス

アンソロピック、来年にもIPOを計画 法律事務所起

ワールド

原油先物は続落、供給過剰への懸念広がる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 6
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中