最新記事

事故

南シナ海に沈んだF35Cらしき画像がSNSに浮上、米中が回収合戦

Photo Appearing to Show Crashed U.S. F-35 Circulates on Social Media

2022年1月28日(金)15時10分
ジョン・フェン
F35C

空母カールビンソンに着艦するF35CライトニングⅡ(2018) U.S. NAVY/MASS COMMUNICATION SPECIALIST 3RD CLASS MATTHEW GRANITO

<至近距離から撮影した出処不明の画像には海に沈む直前とみられる最新鋭ステルス戦闘機の姿が>

南シナ海では1月24日、米海軍の最新鋭ステルス戦闘機F35Cが空母への着艦に失敗する事故が発生したが、この事故機とみられる画像が、ソーシャルメディア上で出回っている。問題の画像には水面に浮かぶ戦闘機が映っており、パイロットの姿は見えない。ツイッターやレディット、中国版ツイッター「微博」のユーザーたちは、これが事故を起こしたF35CライトニングⅡだと考えている。

F35Cは24日、南シナ海での通常飛行中に空母カール・ビンソンへの着艦に失敗。空母の甲板に衝突した後、海に落下した。この事故で、脱出したパイロットを含む7人が負傷した。

ハワイの真珠湾に司令部を置く米太平洋艦隊は、機体の状態について詳細を明かしていないが、報道によれば海軍は機体の回収に向けた準備を行っている。複数の有識者は、中国政府が先回りして、最新のステルス技術を求めて機体を回収する可能性もあると示唆している。

F35YOKO.jpgWEIBO

ソーシャルメディア上に出回っている画像の出処は不明だが、携帯電話で撮影した映像のスクリーンショットのように見える。至近距離から撮影されていることを考えると、動画を撮影したのは、近くにいた米海軍の艦艇かもしれない。画像には、操縦席が無人の状態のF35Cと、その近くに機体の破片が複数浮いている様子が映っており、この後、機体は海に沈んだとみられる。

中国の軍事愛好家は興味津々

米空母「カール・ビンソン」と「エイブラハム・リンカーン」が率いる空母打撃群は、1月17日から23日にかけて、西太平洋の沖縄南方の海域で、日本の海上自衛隊と共同訓練を行い、23日から南シナ海での訓練を行っていた。F35Cの事故が起きたのは、その翌日のことだ。

中国の軍事愛好家たちは、今回の事故に大きな関心を寄せている。複数の愛好家によれば、事故機のシリアルナンバーは「169305」。これが確かなら、海に落下したのは「カール・ビンソン」に艦載されている第2空母航空団の第147戦闘攻撃飛行隊に初めて装備されたF35Cということになる。

太平洋艦隊は、事故の原因については調査中との声明を発表。また米第7艦隊のニコラス・リンゴ大尉は24日、ロイター通信に対して、米海軍が機体の回収を行うと説明。だが中国も同様に機体の回収を試みるのかどうかについては、憶測を控えた。

中国外務省の趙立堅副報道局長は、27日の定例会見で次のように述べた。「アメリカは過去にも、南シナ海で事故を起こしている。(2021年10月に)米原子力潜水艦が海山に衝突した事故について、アメリカからまだ明確な説明はない。そして今度は、空母に装備された航空機が南シナ海に落下した」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ミネソタ州知事と協議 地裁は移民摘発停

ワールド

イスラエル、ガザ最後の人質の遺体収容 ラファ検問所

ワールド

EU、米メタに有害投稿対策強化促す 「ワッツアップ

ビジネス

USAレアアース株、一時26%上昇 米政府の16億
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 7
    中国、軍高官2人を重大な規律違反などで調査...人民…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中