最新記事

サミット

7日開幕ハンブルクG20サミット 賭けに出るメルケル、盟友は習近平?

2017年7月3日(月)16時40分

6月29日、7月7─8日のG20サミットの舞台に、議長国ドイツのメルケル独首相(中央)は港湾都市ハンブルクを選んだ。ベルリンで撮影(2017年 ロイター/Fabrizio Bensch)

7月7─8日の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の舞台に、議長国ドイツのメルケル独首相は港湾都市ハンブルクを選んだ。

通例では民衆から隔離された場所で開かれるサミットを、あえてデモ隊が容易に取り囲める都市で開催するのは、トランプ米大統領、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領らに対し、開かれた民主主義というメッセージを送る狙いもある。

ただ、警察が暴動の取り締まりに失敗すれば、連邦議会選挙戦の渦中にあるメルケル首相にとって大失点となるだけに、首相は大きな賭けに出た格好。政策面でも、気候変動、貿易、移民といった議題を巡って首相はトランプ大統領に強い態度で対峙する構えで、事前の根回しに基づき粛々と行われる従来のサミットとは様変わりしそうだ。

首脳会議の準備に携わったドイツ高官は「正直なところ、ハンブルクではなにが起こるか分からない。強い一体感を打ち出すサミットにならないのは間違いない」と打ち明ける。

「一番心配なのは警備だ。ジェノバ・サミットの二の舞になれば、失敗になる」と高官は続けた。2001年にイタリアのジェノバで開かれたG8首脳会議では、デモ隊が警察隊と衝突し、数百人が負傷、1人が死亡した。

メルケル氏の出生地でもあるハンブルクは欧州屈指の貿易拠点で、ビートルズが下積み時代を過ごしたことで知られるナイトクラブや、複数のドイツ主要メディアの拠点などがある。

地獄へようこそ

首脳会議に先立ち、ドイツ政府はデモ隊が会議に抗議の声を挙げるのを認めることを強調した。

首相の報道官は「我が国では、人々が声を挙げる権利を持っている。すべての市民に抗議の権利があり、それはG20にもあてはまる」と述べた。

これは警察にとっては大きなプレッシャーだ。警官約2万人と併せて犬や馬、ヘリコプター、7.8キロに及ぶ鉄柵が動員される。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

リクルートHD、今期10%増益を予想 米国など求人

ワールド

パナHDが今期中に1万人削減、純利益15%減 米関

ビジネス

日本製鉄、今期純利益は42%減の見通し 関税影響見

ワールド

台湾総統、新ローマ教皇プレボスト枢機卿に祝辞 中国
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中