最新記事

トランプ政権

トランプ「ロシアとの情報共有は大統領の権利」 議会は説明求める

2017年5月17日(水)11時24分

マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に対し、トランプ大統領はロシア側に情報源は明らかにしていないと述べた。「大統領はこの情報をどこから得たのかさえ知らない。情報源や取得手段については説明を受けていない」とし、「大統領が共有した情報は全く適切」とした。

米ニューヨーク・タイムズ紙は情報を提供した同盟国がイスラエルだと報じた。ただ、米国家安全保障関係筋2人は、報道内容に懐疑的な見方を示している。スパイサー報道官は定例記者会見で、報道に関するコメントを控えた。

コミー前連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任に続く新たな疑惑の浮上で、トランプ大統領に対しては共和党内からも批判の声が上がっている。これにより、税制や医療保険改革など重要法案の立法化が後回しになる恐れがあるほか、ホワイトハウスと情報当局との確執もあらためて浮き彫りとなった。情報当局は今年1月、昨年の米大統領選でトランプ氏の当選を手助けしようとロシア当局が関与していたと結論付けており、トランプ氏は就任当初から情報当局を度々攻撃している。

トランプ大統領はその後、再びツイッターへの投稿で「情報当局関連の漏えい者」に批判の矛先を向けた。

ロシア側はホワイトハウスの会談で機密情報をもらしたとの報道について「全くのナンセンス」と否定、トランプ大統領の擁護に回っている。

上下両院の共和党トップは表立った批判を控えている。ライアン下院議長のオフィスは完全な説明を望むとコメントしたほか、マコネル上院院内総務はブルームバーグテレビに対し、ホワイトハウスはもう少し問題を起こさないよう控えて欲しいと述べた。

一方、他の共和党メンバーは懸念を表明。スーザン・コリンズ上院議員は機密情報を開示する権限があっても、「ロシア側にこのようなセンシティブな情報を共有していれば危惧すべき事態」と述べる。

上院外交委員会のボブ・コーカー委員長も疑惑は「極めて懸念すべき」と指摘。ホワイトハウスは「明らかに下降線をたどっている」とし、問題にしっかり対処する必要があるとした。

[ワシントン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中