最新記事

自動車

人材流出が止まらぬグーグル自動運転車プロジェクト、何が起きてるのか?

2016年9月13日(火)06時00分
デイヴィッド・カーリー ReadWrite[日本版]編集部

 さらにいうと、カーシェアリングの大手UberもVolvo SUVを使った自動運転車を自社の戦列に加えるプランを掲げたところだ。

 しかも、グーグルの自動運転システムに興味を示している大手自動車メーカーはいない。検索大手の同社にとって悲惨な状況なのかもしれない。アームソン氏はグーグルを去る前、GMやFord、そのほかの大手自動車メーカーとのパートナーシップを模索していた。

 グーグルがパートナーシップを築けない限り、自前で車を作るかFiatやVolvoといった小規模なメーカーと手を組むしかない。自動車を販売したりカーシェアリングでUberと争うのはそこからだ。こういったグーグルの弱みについては、以前記事にしたことがある。天才肌の人間にありがちな弱みのような気もするが、ビジネスの世界ではそうも言ってられないだろう。

参考記事:「道路をまたぐバス」、中国で試験走行を実施

 さて、自前か小規模メーカーと手を組むか、どちらの選択肢も惹かれるものとは言いがたい。我々の予想では、2020年には自家用車率が下がり、メーカーにとって自動運転車は今ある普通の車よりコストがかかるものになる。グーグルがUberとカーシェアリングで争うのも難しいことだろう。

 自動運転車市場で起こるであろうことは、グーグルの将来の雲行きを怪しくしはじめている。同社の自動運転車部門の評価額は100億ドルだが、研究開発にかかるコストは投資者およびグーグルの経営陣の懸念の種になっている。もし自分たちの自動運転車を投入するに見合う市場が見つからない場合、部門が売却されることもあるのではないだろうか。

 

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中