最新記事

安全保障

北朝鮮の弾道ミサイル、初めて日本の排他的経済水域内に落下

2016年8月3日(水)12時47分

8月3日、中谷元防衛相は、同日朝に北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、同国西岸から約1000キロ飛行し、日本海上の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定していることを明らかにした。写真は都内で6月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

 防衛省は3日、北朝鮮が同日朝に発射した弾道ミサイルについて、日本海の排他的経済水域(EEZ)に落下したようだと発表した。北の弾道ミサイルの弾頭部分が、日本のEEZ内に着水したのは初めて。日本政府は安全保障上の脅威だとして、北朝鮮に抗議した。

 同省によると、北朝鮮は午前7時53分ごろに西岸から弾道ミサイルを1発発射。約1000キロ飛行し、秋田県男鹿半島沖の西方250キロの日本のEEZ内に着水したとみられる。射程約1300キロの中距離弾道ミサイル「ノドン」の可能性があるという。日本の船舶や航空機への被害は確認されていない。

 北朝鮮の弾道ミサイルの弾頭部分が、日本のEEZ内に落ちたのは初めて。先端を覆うカバーなどの部品は、1998年に太平洋、2009年に日本海のEEZに落ちたことがある。

 安倍晋三首相は記者団に対し、「日本の安全保障上の重大な脅威で、許しがたい暴挙」と非難した上で、米国・韓国と連携し毅然(きぜん)と対応すると述べた。また、「明白な国連安保理決議違反であり、北朝鮮に対し断固抗議した」と語った

一方、米戦略軍によると、北朝鮮はこの日朝に2発のミサイルを同時に発射した。1発は直後に爆発したという。

 自衛隊はさらなる発射に備え、警戒・監視を続けている。

*内容を追加しました。

 (久保信博、宮崎亜巳※)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ紛争は26年に終結、ロシア人の過半数が想

ワールド

米大使召喚は中ロの影響力拡大許す、民主議員がトラン

ワールド

ハマスが停戦違反と非難、ネタニヤフ首相 報復表明

ビジネス

ナイキ株5%高、アップルCEOが約300万ドル相当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中