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シリア

アサド化学兵器は見つけても廃棄不能?

2013年12月16日(月)16時56分
ベサル・リクメタ、サマンサ・スタインバーン

 ウィキリークスが暴露したアメリカの外交公電によれば、08年に容器から有害物質が漏れ始めた。移し替えたプラスチック容器の寿命は20年。残り15年だが、安全な廃棄方法はまだ見つかっていない。

 アルバニアの活動団体「AKIP(ゴミの輸入に反対する連盟)」はアルバニア政府に対し、シリアからの化学兵器の持ち込みに関する情報開示を要求。「アルバニアに化学兵器を持ち込める法の抜け穴はなく、極めて危険な処理がこの国にできるという技術的保証もない」と主張し、処理の引き受けについては見直しを強く求めていた。

国民からは猛烈な批判

 こうした批判の高まりは11月半ばにピークを迎えた。化学兵器の処理引き受けに反対する2000人のデモ隊が、2日間にわたりティラナの首相官邸前で大規模な抗議を行った。

 デモに参加した大学生のマリア・ペーシャは、「この国に化学兵器を処理できる施設はない。自分たちの化学兵器すら処理できないのにシリアの兵器を引き受けるなんてあり得ない」と話した。「アルバニアはこの件で誰かに従う義務などない。NATOにもアメリカにも」

 抗議デモを受け、ラマ首相はついに「アルバニアがこの任務に参加することは不可能だ」との声明を発表。アメリカ政府からの要請を正式に拒否した。

 いちるの望みだったアルバニアから手痛い拒否を食らったアメリカ。シリアの化学兵器問題は、再びしばらく漂流することになりそうだ。

From GlobalPost.com特約

[2013年11月26日号掲載]

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